タイミーの収入は帳簿に入れない|個人事業主の確定申告での正しい扱い方
個人事業主として開業した。青色申告の帳簿もつけ始めた。
でもそのかたわら、タイミーや会社の給料でも収入がある。
「この収入、帳簿に入れるの? 入れないの?」
これ、意外と情報がありません。
「タイミー 確定申告」で検索すると出てくるのは「確定申告が必要か?」の話ばかり。
知りたいのはそこじゃなくて、「今つけてる帳簿にどう書くのか」。
筆者も個人事業主として開業しつつ、会社員としても働いています。
まさにこの問題に直面したので、調べた結果を正直にまとめます。
先に結論
- タイミーの収入は「給与所得」。青色申告の帳簿(事業所得の帳簿)には入れない
- パートやアルバイトの収入も同じく給与所得。帳簿には入れない
- 確定申告のときに、事業所得と給与所得を別々に申告書に記入する
- タイミーの源泉徴収票はアプリから取得できる
- 帳簿に入れないだけで、確定申告自体は必要
なぜタイミーの収入は帳簿に入れないのか
理由はシンプルです。所得の種類が違うから。
個人事業主が青色申告でつけている帳簿は「事業所得」を記録するためのものです。 アプリ開発の売上、ブログの広告収入、クライアントワークの報酬──こういった事業活動の収入と経費を記録する場所です。
一方、タイミーで働いた収入は「給与所得」です。 タイミーは2022年以降、すべて直接雇用(雇用契約)に統一されています。 つまり、タイミーで働く=どこかの会社に雇われて給料をもらっている、ということ。
給与所得は、事業所得とは別枠。 帳簿に入れるのではなく、確定申告書の「給与所得」の欄に記入します。
「帳簿に入れない」=「申告しなくていい」ではありません。
帳簿に入れないだけで、確定申告では事業所得と給与所得の両方を申告します。タイミーの源泉徴収票は確定申告に必要なので、必ず保管してください。
パート・アルバイトの収入も同じルール
タイミーだけでなく、パートやアルバイト、会社員としての給料も「給与所得」です。 帳簿に入れる必要はありません。
筆者の場合、個人事業主として開業しつつ、会社員としても働いています。 最初は「会社の給料も帳簿に入れるのかな」と迷いましたが、答えはNO。 会社員の給与は給与所得であって事業所得ではないので、青色申告の帳簿には書きません。
| 収入の種類 | 所得区分 | 帳簿に入れる? |
|---|---|---|
| アプリ開発の売上 | 事業所得 | ○ 入れる |
| ブログの広告収入 | 事業所得 | ○ 入れる |
| クライアントワーク報酬 | 事業所得 | ○ 入れる |
| タイミーの収入 | 給与所得 | × 入れない |
| パート・アルバイトの給料 | 給与所得 | × 入れない |
| メルカリの売上(継続的) | 事業 or 雑所得 | △ 事業なら入れる |
確定申告ではどうするのか
確定申告書には、所得の種類ごとに記入する欄があります。 個人事業主でタイミーやパートもしている場合は、以下のように記入します。
事業所得 → 青色申告決算書から転記
普段の帳簿をもとに作成した青色申告決算書の数字を、確定申告書の「事業所得」欄に記入。 これはいつもどおりです。
給与所得 → 源泉徴収票から転記
タイミーやパート先から受け取った源泉徴収票の「支払金額」と「源泉徴収税額」を、確定申告書の「給与所得」欄に記入。 複数の勤務先がある場合は、すべての源泉徴収票の金額を合算します。
つまり、帳簿は事業所得だけを記録。確定申告書で事業所得と給与所得を合算する。 この流れを理解しておけば、迷うことはなくなります。 申告書の書き方や提出までの手順は 個人事業主の確定申告のやり方|5ステップ完全ガイド にまとめています。
タイミーの源泉徴収票は自分で取得する必要があります。
タイミーのアプリまたはWebサイトから源泉徴収票をダウンロードできます。複数の企業で働いた場合でも、タイミーが1枚にまとめてくれるので、その総額をそのまま確定申告書に記入すればOKです。
タイミーの源泉徴収、されてないこともある?
「タイミーで働いたけど、源泉徴収されてないみたい」という声をよく見かけます。 これは間違いではなく、日額9,300円以下の場合は源泉徴収が不要というルールがあるためです。
ただし、源泉徴収されていない=税金を払わなくていい、ではありません。 確定申告で事業所得と合算して計算した結果、税金が発生すれば納税が必要です。
逆に、源泉徴収されている場合は、確定申告をすることで払いすぎた税金が還付される可能性もあります。 どちらにしても、確定申告はしておいたほうが得です。
タイミーの源泉徴収票はどこで取得する?
確定申告で一番つまずきやすいのが、ここです。 タイミーは働いた企業ごとに源泉徴収票が届くわけではなく、タイミー側が1年分をまとめて発行してくれます。
- タイミーのアプリ、またはWebのマイページにログインする
- メニューから「源泉徴収票」の項目を開く
- 対象年(前年分)を選んでダウンロードする
- 「支払金額」と「源泉徴収税額」の2つの数字を控える
発行されるのは例年1月中旬〜下旬ごろ。確定申告の受付開始(2月中旬)よりは早いので、 申告の準備を始めるタイミングでちょうど手元に揃います。
タイミー以外にもパート先がある場合は、合算します。
勤務先ごとの源泉徴収票をすべて集めて、「支払金額」の合計・「源泉徴収税額」の合計を確定申告書に記入します。1枚でも漏れると税額がズレるので、年内に働いた先を一度書き出してみると安心です。
会社員・タイミー・個人事業──組み合わせ別の申告パターン
「自分はどのケースなんだろう」と迷いやすいので、代表的な組み合わせを整理しておきます。
| あなたの働き方 | 帳簿につけるもの | 確定申告 |
|---|---|---|
| 個人事業のみ | 事業の売上・経費 | 事業所得だけを申告 |
| 個人事業 + タイミー | 事業の売上・経費のみ | 事業所得 + 給与所得 |
| 個人事業 + 会社員 + タイミー | 事業の売上・経費のみ | 事業所得 + 給与所得(2社分を合算) |
| 会社員 + タイミーのみ | 帳簿は不要 | 給与所得の合算(年末調整では完結しない) |
どのパターンでも、帳簿に入るのは事業所得だけという原則は変わりません。 給与が1か所でも3か所でも、帳簿側の扱いは同じです。
年末調整をしていても、確定申告は必要
会社員として働いていると、11月〜12月に年末調整の書類を提出します。 「年末調整をしたから確定申告はいらないのでは?」と考えたくなりますが、事業所得がある場合は別です。
年末調整はあくまで給与所得だけを精算する手続き。事業所得は対象外です。 事業の売上がある以上、年末調整の有無にかかわらず確定申告を行います。
なお、複数の勤務先がある場合、年末調整をしてもらえるのは主たる勤務先1か所だけです。 タイミー分は年末調整されないまま残るので、確定申告で合算して精算することになります。
住民税の欄も忘れずに
確定申告書の第二表には「住民税に関する事項」という欄があります。 ここで住民税の納付方法を、給与から天引き(特別徴収)か自分で納付(普通徴収)か選べます。
勤務先に副業や個人事業のことを知られたくない、という理由でこの欄を気にする方は多いです。 選択できるのは給与以外の所得(=事業所得)の分について。 「自分で納付」を選ぶと、事業所得にかかる住民税の通知が自宅に届きます。
ただし、タイミーやパートの収入は「給与」なので、この選択の対象外です。 給与分の住民税は、主たる勤務先の給与から天引きされる形で通知が回ります。
記入漏れがいちばん多いのが、この住民税の欄です。
何も選ばないと自動的に「特別徴収」になる自治体が多いので、意図がある場合は必ずチェックを入れてください。判断に迷うときは、お住まいの市区町村の住民税担当に確認するのが確実です。
【実体験】筆者の場合──事業所得と給与所得の両方がある生活
筆者は個人事業主としてアプリ開発やブログ運営をしながら、会社員としても働いています。
開業した当初、正直に言って一番迷ったのが「会社員としての給料をどこに書くのか」でした。 事業用の帳簿に「給料」として記録するのか? それとも別で管理するのか? ネットで調べても、この具体的な疑問にストレートに答えてくれる記事がなかなか見つからなかった。
結論は、ここまで書いたとおり「帳簿に入れない。確定申告書で別枠に書く」でした。 分かってしまえば単純ですが、最初は本当に分からなかった。
同じように、タイミーで働きつつ個人事業もしている人は増えているはず。 「帳簿に入れるの?」というシンプルな疑問への答えが、この記事で見つかれば嬉しいです。
よくある疑問
Q. タイミーの交通費は経費にできる?
タイミーの収入は給与所得なので、個人事業の帳簿に経費として計上することはできません。 給与所得には「給与所得控除」が自動的に適用されるため、個別の経費計上という概念がないのです。 交通費が支給されている場合は、タイミーの給与に含まれています。
Q. タイミーの収入が年間20万円以下なら申告不要?
「副業の所得が20万円以下なら確定申告不要」というルールは、給与所得者(会社員)に適用されるものです。 個人事業主はそもそも確定申告が必要なので、タイミーの収入が少額でも申告書に記載してください。 また、住民税には「20万円以下なら不要」というルールがありません。
Q. 事業所得と給与所得、どっちが税金的に有利?
一概には言えませんが、事業所得には青色申告特別控除(最大65万円)が使え、赤字を3年間繰り越せるメリットがあります。 一方、給与所得には給与所得控除が自動適用されます。 令和7年分からは給与所得控除の最低保障額が55万円→65万円に引き上げられ、基礎控除も一律48万円から、合計所得金額に応じて最大95万円までの段階制に見直されました。 両方の所得がある場合は、それぞれの控除が適用されるので、トータルでは有利になることが多いです。
Q. 年末調整をしていれば確定申告は不要?
事業所得がある場合は必要です。年末調整は給与所得だけを精算する手続きなので、事業の売上・経費は反映されていません。 勤務先で年末調整を受けたうえで、確定申告で事業所得と合算して精算する流れになります。
Q. タイミーで働いた分だけ、あとから帳簿に足してもいい?
いいえ。事業所得の帳簿に給与所得を混ぜると、青色申告決算書の売上が実際より大きくなり、所得の区分を誤ったまま申告することになります。 面倒に見えても、帳簿は事業所得だけ、給与は源泉徴収票から申告書へ、と分けたほうが結果的にずっとラクです。
Q. クラウドソーシング(ランサーズ等)の収入はどっち?
クラウドソーシングの収入は、一般的に「事業所得」または「雑所得」です(雇用契約ではなく業務委託のため)。 開業届を出して継続的に行っているなら事業所得として帳簿に記録します。 タイミーとの違いは「雇用か業務委託か」。タイミーは雇用なので給与所得、クラウドソーシングは業務委託なので事業所得(または雑所得)です。
まとめ ── 帳簿に入れない。でも申告は忘れない
- タイミーの収入は給与所得。事業所得の帳簿には入れない
- パート・アルバイトの収入も同じく給与所得。帳簿には入れない
- 確定申告書では事業所得と給与所得を別々に記入して合算
- タイミーの源泉徴収票はアプリから取得。確定申告に必要
- 「帳簿に入れない」=「申告しなくていい」ではない。確定申告は必ず行う
「帳簿に入れるの?」という疑問は、個人事業主になったばかりの人がほぼ全員ぶつかる壁です。 答えが分かってしまえば簡単ですが、最初は誰でも迷います。 この記事が、同じ疑問を抱えている方の参考になれば。
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