青色申告とは?個人事業主が最初に知るべきこと・白色との違い・届出の出し方
開業届を出した。
次にやるべきことは「青色申告承認申請書」の提出です。
……と言われても、そもそも青色申告って何なのか。
白色申告と何が違うのか。
届出を出さなかったらどうなるのか。
筆者も開業直後、まったく同じ疑問を抱えていました。
この記事では、青色申告の基本を「最初に知るべきことだけ」に絞って解説します。
先に結論
- 青色申告は最大65万円の控除が受けられる(=税金が安くなる)
- 白色申告より帳簿の手間は増えるが、会計ソフトを使えばほぼ自動化できる
- 届出を出さないと自動的に白色申告になる(損する)
- 開業後2ヶ月以内に届出を出せばOK
そもそも青色申告とは何か
青色申告とは、個人事業主が確定申告をするときに選べる申告方法の一つです。
個人事業主の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。 どちらを選んでも確定申告自体はできますが、青色申告を選ぶと税金を安くできる特典がつきます。
その代わり、白色申告より少しだけ帳簿のルールが厳しくなります。 「ちゃんと帳簿をつけるなら、そのぶん税金を優遇しますよ」という仕組みです。
青色申告と白色申告の違い
| 青色申告(65万円控除) | 白色申告 | |
|---|---|---|
| 特別控除 | 最大65万円 | なし |
| 帳簿のルール | 複式簿記(借方・貸方) | 簡易簿記でOK |
| 赤字の繰越 | 3年間繰り越せる | できない |
| 家族への給与 | 経費にできる(届出が必要) | 一定額のみ控除 |
| 届出 | 必要(開業後2ヶ月以内) | 不要(デフォルト) |
| 必要書類 | 確定申告書+青色申告決算書 | 確定申告書+収支内訳書 |
一番大きな違いは65万円の特別控除です。
たとえば年間の事業所得が300万円の場合、白色申告ではそのまま300万円に税金がかかります。 青色申告なら300万円 − 65万円 = 235万円に対して税金がかかる。 この差額は、所得税と住民税を合わせると年間10万円以上になることもあります。
「複式簿記」が難しそう……と思った方へ。
会計ソフトを使えば、借方・貸方を自分で考える必要はありません。やったことを選ぶだけで、裏側で複式簿記の仕訳が自動作成されます。「複式簿記=難しい」は、手書きの時代の話です。
65万円控除を受けるための条件
青色申告を選ぶだけで自動的に65万円が控除されるわけではありません。 最大65万円の控除を受けるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 複式簿記で帳簿をつけている
- 貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付する
- 申告期限(3月15日)までに申告する
- e-Taxで電子申告する、または電子帳簿保存をしている
④の条件を満たさない場合は控除額が55万円になります。 それでも白色申告の0円と比べれば圧倒的に有利です。
なお、複式簿記ではなく簡易簿記で帳簿をつけた場合は、控除額が10万円になります。 手間の差に対してメリットが小さすぎるので、どうせやるなら65万円(複式簿記)を目指すべきです。
【実体験】最初は「白色でいいか」と思っていた
正直に言うと、筆者は開業直後、「白色申告でいいかな」と思っていました。
理由は単純で、「複式簿記」という言葉が怖かったから。 借方・貸方って何? 仕訳って何? 帳簿って何を書けばいいの? 調べれば調べるほど分からなくなって、「白色なら簡易簿記でいいらしい。じゃあそれでいこう」と思いかけていました。
でも、65万円の控除の差額を計算してみて考えが変わりました。
所得が200万円でも、65万円の控除で税金が約10万円変わる。 10万円あったら会計ソフトの年間利用料を払ってもお釣りが来る。 しかも会計ソフトが複式簿記を自動でやってくれるなら、自分で借方・貸方を理解する必要がない。
結局、筆者は青色申告を選びました。 そしてその判断は正しかった、と今は思っています。
青色申告承認申請書の出し方
いつまでに出す?
原則として、青色申告をしたい年の3月15日までに提出する必要があります。
ただし、その年に新規開業した場合は開業日から2ヶ月以内に提出すればOK。 開業届と同時に出してしまうのが一番確実です。
どこに出す?
管轄の税務署に提出します。紙で持参・郵送するか、e-Taxで電子提出するかの3通り。
届出を出し忘れたらどうなる?
その年は自動的に白色申告になります。 つまり65万円の控除が受けられず、税金が高くなる。 翌年から青色申告に切り替えることはできますが、届出を出し忘れた年の控除は取り戻せません。
届出は「出すだけ」でお金はかかりません。出して損することは一切ないので、開業届と同時に出しておくのが鉄則です。
青色申告の帳簿、何をどうつければいいのか
青色申告(65万円控除)に必要な帳簿は、大きく分けて以下の2つです。
- 仕訳帳 ── すべての取引を日付順に記録する帳簿
- 総勘定元帳 ── 勘定科目ごとに取引をまとめた帳簿
加えて、確定申告の際には「損益計算書」と「貸借対照表」を作成して添付します。
……と書くと大変そうに聞こえますが、会計ソフトを使えばこれらはすべて自動で生成されます。 日々やることは「取引を入力する」だけ。売上が入ったら入力、経費を使ったら入力。 それだけで仕訳帳も総勘定元帳も損益計算書も貸借対照表も自動で出来上がります。
青色申告のよくある疑問
Q. 売上がほとんどなくても青色申告すべき?
はい。売上が少なくても、赤字を3年間繰り越せるのが青色申告のメリットです。 開業初年度に赤字が出た場合、翌年以降の黒字と相殺して税金を減らせます。 白色申告ではこの繰越ができないので、売上が少ないときこそ青色申告が有利です。
Q. 副業でも青色申告できる?
開業届を出していれば、副業でも青色申告は可能です。 ただし、副業の所得が「事業所得」と認められるかどうかは、継続性や規模によって判断されます。 年間数万円程度の雑所得であれば、事業所得として認められない場合もあります。
Q. 青色申告から白色申告に戻すことはできる?
はい、できます。「青色申告の取りやめ届出書」を提出すれば、翌年から白色申告に戻せます。 ただし、65万円の控除を手放すことになるので、よほどの理由がない限りおすすめしません。
Q. 青色申告の届出を出し忘れた。今からでも間に合う?
今年分の確定申告には間に合わないかもしれませんが、来年分からの適用は可能です。 3月15日までに届出を出せば、来年の確定申告から青色申告が使えます。 まだ出していない方は、今すぐ出しておいてください。
まとめ ── 青色申告は「出すだけ」で得する仕組み
- 青色申告は最大65万円の控除で税金が安くなる
- 届出は開業後2ヶ月以内に税務署へ提出(無料)
- 複式簿記は会計ソフトが自動でやってくれる。怖くない
- 売上が少ない年・赤字の年こそ青色申告が有利(赤字繰越3年)
- 届出を出し忘れるとその年は白色確定。取り戻せない
筆者も最初は「複式簿記は難しそう」と尻込みしていましたが、会計ソフトに任せてしまえば何も怖くありませんでした。 まだ届出を出していない方は、開業届と一緒に今日出してしまってください。出すだけならタダです。
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