2026.07.25(2026.09.04 更新)
仮想通貨の確定申告のやり方|利益はいくらから?雑所得の計算方法を解説
ビットコインやイーサリアムで利益が出た。
喜んだのも束の間、頭をよぎるのは「これ、確定申告いるよね……?」という不安。
仮想通貨(暗号資産)の税金は、正直に言うとかなり複雑です。
株やFXとは扱いが違い、計算方法も独特。「よくわからないまま放置」が一番危険な領域です。
この記事では、仮想通貨の確定申告について、必要になるライン・税金の仕組み・計算方法を、初めての方向けに整理します。
先に結論
- 仮想通貨の利益は「雑所得」。給与などと合算する総合課税
- 会社員は利益20万円超、専業・扶養内は基礎控除額(令和7年分は最大95万円)超で申告が必要
- 税率は所得に応じて上がり、住民税と合わせ最大約55%
- 計算方法は総平均法(原則)と移動平均法の2つ
- 取引所が複数あると計算が一気に複雑になる。ツールや専門家の活用も検討を
仮想通貨の利益はいくらから申告が必要?
仮想通貨で利益が出たら、必ず申告が必要というわけではありません。以下のラインが基準です。
| 立場 | 申告が必要になるライン |
|---|---|
| 会社員(給与所得あり) | 仮想通貨を含む雑所得が年20万円超 |
| 専業・扶養内(給与なし) | 所得の合計が基礎控除額を超える場合(令和7年分は合計所得132万円以下なら95万円) |
| 個人事業主 | 他の所得と合わせて申告(金額に関わらず申告するのが原則) |
💡 「利益が出たとき」とは?
仮想通貨は、売却したときだけでなく、別の仮想通貨に交換したとき、買い物に使ったときにも利益が確定します。「日本円に換えてないから大丈夫」は誤解です。ガチホ(保有し続けているだけ)なら課税されませんが、一度でも動かすと損益が発生します。
仮想通貨の税金は「雑所得」── ここが重い
仮想通貨の利益は、原則として雑所得に分類されます。
これが仮想通貨の税金を重くしている最大の理由です。
総合課税で、税率が上がっていく
雑所得は給与所得などと合算され、合計額に対して税率がかかります(総合課税)。
所得が大きいほど税率が上がる累進課税で、所得税と住民税を合わせると最大で約55%。利益の半分以上が税金になることもあります。
株式やFXが一律約20%の分離課税なのと比べると、仮想通貨の税負担はかなり重い。この違いを知らずに大きな利益を出すと、納税時に青ざめることになります。
損益通算・繰越ができない
さらに厳しいのが、仮想通貨の損失は他の所得と相殺できないこと。
株なら損失を3年繰り越せますが、仮想通貨(雑所得)にはそれがありません。同じ年の仮想通貨の利益とだけ相殺できます。
損益の計算方法 ── 総平均法と移動平均法
仮想通貨の所得は「売却額 - 取得原価 - 必要経費」で計算します。
このうち「取得原価」の計算に、2つの方法があります。
| 総平均法 | 移動平均法 | |
|---|---|---|
| 計算のタイミング | 年末にまとめて | 購入のたびに |
| 計算の手間 | 比較的かんたん | 手間がかかる |
| 向いている人 | 取引回数が少ない | 取引回数が多い |
| 届出 | 不要(原則こちら) | 税務署への届出が必要 |
個人の場合、届出をしなければ自動的に総平均法が適用されます。
移動平均法を使いたい場合は「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を、確定申告期限までに税務署へ提出する必要があります。
一度選んだ計算方法は原則として継続適用(変更には届出が必要)なので、最初にどちらにするか決めておくことが大切です。
💡 どちらを選んでも、生涯の合計損益は同じ
総平均法と移動平均法は、単年で見ると損益がずれることがありますが、投資を始めてから終えるまでの通算では一致します。違うのは「どの年にいくら計上するか」というタイミングだけです。
ここが本当に大変 ── 複数取引所の合算
ここまで読んで「思ったより複雑だな」と感じた方も多いと思います。
そして現実は、もう少し厄介です。
多くの人は、複数の取引所を使っています。国内取引所が2〜3社、さらに海外取引所やDeFi、NFT……。これらすべての取引履歴を集めて、円換算して、合算して損益を出す必要があります。
- 取引所ごとに履歴のフォーマットが違う
- 海外取引所は日本円換算が自分で必要
- 仮想通貨同士の交換も1件ずつ損益計算
- ステーキング・エアドロップ・マイニング報酬も所得になる
- DeFiやNFTは取得原価の把握自体が難しい
取引回数が数百〜数千件になると、手作業での計算は現実的ではありません。
ここで選択肢は3つに分かれます。
損益計算の3つの選択肢
選択肢① 自分で計算する
取引回数が少なく(年に数回程度)、使っている取引所も1つだけなら、国税庁の「暗号資産の計算書」を使って自分で計算できます。
ただし、少しでも取引が複雑になると、計算ミスのリスクが跳ね上がります。
選択肢② 損益計算ツールを使う
クリプタクトやGtaxといった専用ツールを使えば、取引所の履歴をアップロードするだけで自動計算できます。
取引回数が多い人には現実的な選択肢。ただし、ツールの入力・確認作業は自分で行う必要があります。
選択肢③ 専門家に任せる
「もう自分では手に負えない」「金額が大きくて間違えたくない」という場合は、仮想通貨に詳しい税理士に相談するのが安全です。
仮想通貨の税務は専門性が高く、対応できる税理士は限られています。だからこそ、仮想通貨を専門にしている税理士に相談するのが確実です。
💡 無料で税務診断してもらう
「自分の場合、確定申告が必要なのかどうかもわからない」という段階なら、まず無料診断を受けてみるのも手です。暗号資産の税務を専門とする「クリプト税理士」では、LINEから無料で税務診断を受けられます。相談してから、自分でやるか任せるか判断しても遅くありません。
申告しないとどうなる?
「バレないだろう」と申告しないのは、非常にリスクが高い選択です。
国内の取引所は、税務署からの求めに応じて取引情報を提供しています。無申告が発覚すると、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税が課され、悪質と判断されれば重加算税まで科されます。
利益が出た年に納税資金を残しておかず、翌年の申告時に払えなくなる──というのも、仮想通貨でよくある失敗です。利益が確定したら、その分の税金は使わずに取っておきましょう。
まとめ ── 仮想通貨の確定申告は「早めの準備」がすべて
- 仮想通貨の利益は雑所得。会社員は20万円超、専業は基礎控除額超(令和7年分は最大95万円)で申告
- 売却だけでなく交換・決済でも利益が確定する
- 税率は総合課税で最大約55%。損失の繰越もできない
- 計算方法は総平均法(原則)と移動平均法
- 取引所が複数あると計算は一気に複雑化。ツールや専門家の活用を
- 無申告はペナルティのリスク大。迷ったら早めに専門家へ相談を
仮想通貨の確定申告は、他のどの所得より複雑と言っても過言ではありません。
だからこそ、2月に慌てて始めるのではなく、年内から取引履歴を整理しておくことが何より大切です。
「自分は申告が必要なのか」「いくらになるのか」がわからない段階なら、まず無料で診断を受けてみて、そこから方針を決めるのが賢い進め方です。
仮想通貨の税金、まず無料で診断
暗号資産の税務を専門とする「クリプト税理士」では、LINEから無料の税務診断が受けられます。
「確定申告が必要なのかわからない」「複数の取引所があって計算できない」という方は、まず現状を診断してもらうところから始めてみてください。