2026.07.06(2026.09.04 更新)

iPadの耐用年数は4年|勘定科目・減価償却と一括経費にできるケース

仕事用にiPadを買った。
帳簿に入力しようとして、手が止まる。

「これ、減価償却しないといけない? 何年で償却するの?」

結論から言うと、青色申告をしている個人事業主なら、ほぼすべてのiPadは購入年に一括で経費にできます
減価償却の計算が必要になるケースは、実はかなり限られています。

この記事では、iPadの機種別に「一括経費にできるのか、減価償却が必要なのか」を整理し、実際の仕訳の書き方まで解説します。

先に結論

iPadの機種別 ── 一括経費 or 減価償却?

「自分のiPadはどっちなの?」が一番知りたいところだと思います。
2026年7月時点のApple公式価格で、機種ごとに整理しました。

機種価格(税込)処理方法
iPad(A16・128GB)58,800円✅ 消耗品費(10万円未満)
iPad Air(M3・128GB)98,800円✅ 消耗品費(10万円未満)
iPad Air(M3・256GB)112,800円✅ 少額減価償却資産の特例(青色)
iPad Air(M3・13インチ)128,800円〜✅ 少額減価償却資産の特例(青色)
iPad Pro(M4・256GB)168,800円✅ 少額減価償却資産の特例(青色)
iPad Pro(M4・13インチ・1TB)348,800円✅ 少額減価償却資産の特例(青色)
iPad mini(A17 Pro・128GB)78,800円✅ 消耗品費(10万円未満)

ご覧のとおり、現行モデルで40万円を超えるiPadは存在しません
つまり青色申告をしていれば、どのiPadを買っても一括経費にできるということです。

💡 2026年4月から特例の上限が拡大

少額減価償却資産の特例の上限が、30万円未満から40万円未満に拡大されました。iPad Pro(M4)の最上位モデル(348,800円)も、2026年4月以降の購入なら特例の対象です。

iPadの耐用年数は4年 ── 国税庁の耐用年数表での扱い

iPadの法定耐用年数は4年として処理するのが実務上の一般的な取り扱いです。

ただし、ここは少し補足が要ります。国税庁の耐用年数表を「iPad」や「タブレット」で探しても、その名称は載っていません。「ipad 耐用年数 国税庁」で検索して答えが見つからないのは、そのためです。

該当するのは、器具及び備品のうち「電子計算機(パーソナルコンピュータ)」という区分で、これが4年です。iPadは機能面でパソコンと同等と考えられるため、この区分を適用します。

区分耐用年数
電子計算機(パーソナルコンピュータ)※iPad・タブレットはここ4年
電子計算機(サーバー用を除く上記以外のもの)5年
複写機・計算機などその他の事務機器5年

実際の用途を考えても──ブラウジング、メール、文書作成、イラスト制作、アプリ開発──パソコンと同じです。「パーソナルコンピュータ」として扱って問題ありません。

💡 そもそも耐用年数を使わずに済むことが多い

耐用年数が必要になるのは減価償却をする場合だけです。青色申告で10万円以上40万円未満のiPadなら「少額減価償却資産の特例」で購入年に一括経費にできるので、4年で按分する計算そのものが発生しません。現行のiPadはほぼこの範囲に収まります。

減価償却が必要になるケース

これらに該当しなければ、減価償却の計算は不要です。

iPadの勘定科目 ── 金額で変わる

「iPadは何費で処理すればいい?」という疑問は、金額によって答えが変わります。ここを押さえておけば迷いません。

購入金額勘定科目処理
10万円未満消耗品費購入年に全額を経費
10万円以上40万円未満(青色申告)工具器具備品少額減価償却資産の特例で一括経費
10万円以上20万円未満(白色も可)工具器具備品一括償却資産として3年均等償却
40万円以上工具器具備品耐用年数4年で減価償却

実務では、10万円未満なら消耗品費、10万円以上なら工具器具備品(固定資産)と覚えておけば足ります。

なお、少額減価償却資産の特例の上限は2026年4月1日以後に取得した資産から30万円未満→40万円未満に引き上げられました。2026年3月31日までに買ったiPadは、従来どおり30万円未満が上限です。取得した日で判定するので、年をまたぐ購入は取得日を確認してください。

会計ソフトによっては「事務用品費」「備品費」といった科目も選べますが、消耗品費で統一しておくほうが集計がラクです。勘定科目は一度決めたら毎年同じものを使い続けるのが原則なので、途中で変えないようにしてください。

どの科目を選ぶか迷ったときは、 経費にできるもの一覧|勘定科目と判断基準 に品目別の一覧をまとめています。

仕訳の書き方 ── 3パターン

iPadを買ったとき、帳簿にどう書くか。金額と状況に応じた3つのパターンを紹介します。

パターン① 10万円未満のiPad ── 消耗品費

iPad(A16・58,800円)を事業用の口座から購入した場合。

日付借方金額貸方金額摘要
7/6消耗品費58,800普通預金58,800iPad(A16)購入

これだけ。もっともシンプルな仕訳です。

パターン② 10万円以上 ── 少額減価償却資産の特例

iPad Pro(M4・168,800円)を事業用クレジットカードで購入した場合。

日付借方金額貸方金額摘要
7/6消耗品費168,800未払金168,800iPad Pro(M4)購入 ※措法28の2

摘要に「措法28の2」と書いておくのがポイント。少額減価償却資産の特例を適用したことの記録です。
確定申告書にも「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」の添付が必要です。

パターン③ プライベート兼用 ── 家事按分あり

iPad Air(M3・98,800円)をプライベートのお金で購入。事業使用50%の場合。

日付借方金額貸方金額摘要
7/6消耗品費49,400事業主借49,400iPad Air(M3)購入 事業按分50%

プライベートのお金で買った場合、貸方は「事業主借」になります。
経費にできるのは事業使用割合の分だけ。50%なら98,800円の半額です。

家事按分は何%にする?割合の決め方と実例

Apple PencilやMagic Keyboardは?

iPadと一緒に買うことが多い周辺機器の処理をまとめます。

製品価格例(税込)処理
Apple Pencil Pro21,800円消耗品費
Apple Pencil(USB-C)13,800円消耗品費
Magic Keyboard(11インチ)49,800円消耗品費
Magic Keyboard(13インチ)59,800円消耗品費
Smart Folio12,800円〜消耗品費

すべて10万円未満なので、消耗品費で一括経費です。
iPad本体と一緒に買っても、周辺機器は別々に処理してOK。本体とセットで1つの資産にする必要はありません。

💡 セット購入の注意点

ただし、iPad本体と周辺機器を「セットでないと使えない」構成で購入した場合、合算して1つの資産として判定されることがあります。Apple Pencilやキーボードは単体でも機能するので、別々の資産として処理して問題ありません。

よくある疑問

Q. 中古のiPadを買った場合は?

中古でも購入金額で判定します。メルカリで5万円のiPad Proを買ったなら、消耗品費で一括経費。
中古だからといって耐用年数が短くなるわけではありません(中古資産の耐用年数の計算方法はありますが、一括経費にするなら関係ありません)。

Q. iPad用のアプリ(有料)は経費になる?

事業で使うアプリなら経費にできます。勘定科目は「通信費」または「消耗品費」。
サブスクリプション型(月額・年額課金)なら「通信費」、買い切り型なら「消耗品費」が一般的です。
Procreateやアフィニティデザイナーなど、制作に使うアプリも事業使用割合に応じて経費にできます。

Q. iPadを売却・下取りに出した場合は?

一括経費にしたiPadを後日売却した場合、売却代金は「雑収入」として計上します。
消耗品費で全額経費にした翌年に3万円で売れたなら、3万円の雑収入。
確定申告で忘れやすいポイントなので、メモしておくことをおすすめします。

Q. 白色申告でiPadを買った場合は?

少額減価償却資産の特例は使えません。10万円以上のiPadは原則として耐用年数4年の減価償却が必要です。
ただし、10万円以上20万円未満なら「一括償却資産(3年均等)」という方法も選べます。
一括償却資産の詳細はこちら

まとめ ── 青色申告なら、すべてのiPadは一括経費にできる

「iPadは減価償却が必要?」という疑問への答えは、ほとんどの個人事業主にとって「いいえ、一括経費にできます」

青色申告をしていれば、iPadを買った年に全額を経費にして、面倒な減価償却の計算とは無縁でいられます。
まだ白色申告の方は、これを機に青色申告への切り替えを検討してみてください。

青色申告とは?個人事業主が最初に知るべきこと

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